【一級建築士設計製図】 試験直前なので色々まとめてみた(計画編)

ポイントまとめました!【計画編】
試験本番直前です。いよいよですね!
課題発表からの2ヶ月頑張ってきたのですから本番では力を出し切りましょう!
試験直前という事で、改めてポイントをまとめたいと思います!
これまでと重複する内容もありますが重要事項なので、最後までぜひお付き合い下さい。
※文字ばっかりなので予めご了承下さい。
課題分と設計条件
課題分は一字一句読み飛ばしの無いようしっかりと読みましょう。
設計条件に記載されている内容は読み飛ばしがちですが、
エスキスの重要な文言が書いていたりしますので、正確に読み取らなくていけません!
よ〜く読んでみて下さい。もしかすると設計条件に
『なお、本施設は隣接する北側施設からのアクセスも考慮する』
って書いているかもしれませんよ。
そうなると北側施設からのアプローチも計画しなくてはいけませんからね!
それと、設計条件に記載されている文言はそのまま記述のキーワードに使えることも多いのです!
先程の例だと、記述で『本施設を計画するにあたり、外部アプローチで考慮したこと』の問いがあるとするならば記述の解答はこうです。
『本施設を計画するに当たり、エントランス南側の主出入口と別に、エントランス北側にも出入口を設けて隣接する北側施設からのアクセスを考慮した。』
これで記述は完璧ですね!
敷地条件等
敷地の方位
敷地条件に記載されている方位も必ず確認して下さい!
図面の上が北とは限りませんよ!図面の上が南かもしれませんからね!
ここ数年、毎年必ず試験元はドッキリをかけてきます。
今年はどんなドッキリが待ち受けているのでしょうか。
周辺環境
例えば、住居施設を計画するのに、
ほんとにそれだけで決めて良いのですか?
よ〜く敷地の周辺状況を見てみると。
日当たり良くないやん。
ってなってしまいます。ちゃんと敷地条件を見ないといけませんね!
敷地に対しての道路付き
そして、道路に2面接続しているならば、歩道付きの幅員の広い道路が
利用者用のメインアプローチ、幅員の狭い方が管理者用のアプローチとします。
注意しないといけないのは、2面道路の場合は2つの道路をそれぞれ利用しましょう!
どちらか一方の道路だけでアプローチ計画した場合は減点があるかもしれないようです。
利用者・管理者の動線分離を明確にする、という意味でも2つの道路を使うことが望ましいです。
敷地内の高低差
万が一敷地に高低差がある場合は、車椅子利用者に配慮してスロープを計画しないといけません。
誘導化基準では1/15以上のスロープとなります。高低差が1mとすると15mのスロープが必要となります。
念の為数値は覚えておいた方が良さそうです!
建蔽率
建蔽率が80%以上なら、屋外施設だけ考慮すれば特に建築面積を気にせず計画してもほぼ大丈夫でしょう。
もし、建蔽率が60%や70%となると、かなり計画が苦しくなってきます。
でもこれって、よ〜く考えてみると・・・
建蔽率が厳しい→敷地に対して建築可能範囲が狭くなる→計画範囲が絞られてくる
スパンが多くなればなるほど、要求室を配置するのに頭を悩ませてしまいますので
却って規制されている方が、計画範囲が絞られてくるので考えやすい・・・?
建蔽率オーバーだけ気にしてあげれば、建物内の計画はまとめやすいですね!
そう考えましょう!
延べ面積
言わずもがなですが、これは絶対押さえておかないといけません。
面積オーバー・面積不足は即ランクⅣでしょう。
採点すらしてもらえませんよ!
配置計画
屋外施設
屋外施設を検討したら、建築可能範囲が出てきます。
屋外施設のメインは駐車場(と駐輪場)です。
駐車場は基本的に6台まで なら敷地境界線からのセットバックだけで計画する事ができると思います。
ただ、駐車場が7台以上 になると1階部分の一部をピロティ空間とし、駐車場or車路として計画する必要があるかもしれません!
それと注意しないといけないのは、横断歩道から5m以内に歩道の切り下げをしてはいけない!
っということ。歩行者の安全に配慮しないと大減点になってしまう恐れがありますので御注意下さい!
高さ制限
道路斜線制限
道路斜線制限を考慮して、建物をセットバックさせないといけません!
3階建で階高が1階から順に、4m・4m・3.5mの場合の建物高さは、
パラペット(0.6m)・1階の床の高さ(FL+0.1m)を踏まえると12.2mとなります。
例えば住居系の用途地域で、セットバック距離をa・道路幅員が6mとすると、
(2a+6m)×1.25=12.2mとなり、
a=1.88mとなります。
3階建ての柱サイズが700mm角であることを考慮すると、建物のセットバック距離は3mとなります。
隣地斜線制限
隣地斜線制限は住居系の用途地域の場合、1.25L+20mとなるので 5階建てまでなら検討する必要はなさそう です!
ちなみに、商業系なら1.5L+31mとなります!
北側斜線制限
北側斜線制限のかかる用途地域で出題される可能性があるのは、 第一種・第二種中高層住居専用地域だけですね!
10+1.25Lなので、注意が必要です!
内部動線
ゾーニング
ゾーニングは、階別のゾーニングがベターでしょう!
今までの本試験でも階を跨いでゾーニングすることはあまり無かったので、基本的に階別ゾーニングでOK!
※H29小規模なリゾートホテル 標準解答1では、宿泊室の一部を1階の共用部門と同一階に下ろしているパターンもありましたが・・・。
H29の標準解答例はこちらから(建築技術教育普及センターより)
利用時間を設けられている場合は、基本的に早く閉まる部門が2階で・長く開いている部門は1階に計画するのがベターな気がします。
エントランス入ってすぐに防火シャッターで塞がっている施設って、
(ATMコーナーだけ開いてその他は防火シャッターで閉まってますもんね)
二方向避難から見る内部動線
管理用の廊下は利用者ゾーンとつなげる必要があります。
なぜなら二方向避難を確保する為 です。階段が一か所しかない場合、建築基準法違反となりますので、
もしかしたらランクⅣに抵触する恐れがあります!
なので、必ず管理用の廊下は利用者ゾーンと繋げて二方向避難を確保するようにしましょう!
忘れてはいけない事は、重複距離は30m・歩行距離の限界は60m!
その他要求室等の計画
要求室の室名
要求室の名称は、課題分に沿って書くようにしましょう。
例えば、課題分で管理事務室と書いているのに、事務室と省略したりするのはNGです。
もしかしたら室の欠落とみなされてしまうかもしれないようです!
同様に、トイレ→NG 便所→OK
しっかり課題文通りに書くように心がけましょう!
要求室の面積
要求室に面積指定がある場合、必ず±10%内で計画するようにしましょう!
大きくても減点・小さくても減点、これはしっかり守って計画しましょう!
って時はグリッドを無視してしまいましょう!
そんな時はグリッドに捕われすぎないことです!
吹抜
できるだけエントランスホールには3層の吹き抜けを計画するようにしたい ですね。
そうすることで、
パッシブデザインに配慮した事になるし、記述で問われた時にしっかり答える事ができます。
『エントランスホールに3層吹き抜けを設け、上部にトップライトを設ける事で採光を取り入れ明るい空間とした。』
『3層吹き抜け上部に開閉式のトップライトを設ける事で、温度差による重力換気によって自然通風を取り込み冷房負荷低減を図った』
断面図にも吹き抜けとトップライトを記載したら完璧ですね!
ただ、面積等の関係で設けられない時は致し方ない!
設けられたらより良いですねって感じでOKです!
動線指定
課題分の読み取りの際には、動線指定のある室をしっかり確認しておきましょう。
隣接指示があれば、直接行き来できるように隣同士に計画しないといけません。
近接指示であれば、廊下を挟んでの計画も可能です。
〜との動線に配慮という事であれば、廊下で繋がっていればOKって感じです。
階を跨ぐのもOKです!※隣接できるなら越したことはないのですが。
住居部門
敷地条件によって居室等の個室は北向きでも計画は可能となりますが、
(個室のプライバシーを考慮)
共用生活室については北側を避ける のがベターでしょう。
利用者が最も長居する室なので、やはり明るい計画が良いです。
北側に計画する場合でも、北東角・北西角と1面は東西のどちらかに向けるように計画しましょう!
多機能便所
高齢者が利用する施設なので、多機能便所は多めに配置するように心がけましょう。
住居部門だと1ユニットに2つか3つくらい計画 するのが良さそうです。
デイサービス部門にも3つくらいは書いた方が良さそうです!
空いているスペースに設けるだけで大丈夫です!
むしろちりばめて計画する方が良いでしょう!
レストランの厨房
意外と盲点なのが、レストランの厨房の位置です。
食材の搬入・搬出を考慮すると外壁に面して設ける事がベターです。
直接屋外から出入りできるようにしましょう!
厨房は管理者ゾーンと繋げた方が良いと言われていますが意外と難しい。
エントランスホールに面してレストランを設け、そのレストランの厨房は管理ゾーンと繋げる。
って感じです。なので管理ゾーンと厨房は、
繋げられる時は繋げるし、繋げられない時は繋げない
要は厨房単独で屋外に出られるように扉を設ける。
そんな感じで良いでしょう!
事務室等
管理ゾーンに必ず要求されるであろう事務室。
(管理事務室とかって表現になっているかもしれないので注意して!)
原則、エントランスホールに面して計画しましょう!
なぜなら、利用者の入退館を管理する為です!
誰でもノーセキュリティで入る事ができる施設は物騒ですからね!
もしエントランスホールに【受付コーナー】などの要求があれば、そこでセキュリティに配慮されているので、その時は奥まった場所での事務室でもOKです!
廊下の計画
廊下の寸法、メチャメチャ重要です!
要求室の面積にも影響があるので、計画に大きく変わってきます。
できれば課題分に要求が無くても、バリアフリー法の誘導基準に準じた計画が良いでしょう!
そうなると廊下幅は、有効で180cm以上必要となります。
壁の厚さ・柱を考慮すると、廊下の芯々では2.5m以上確保しましょう!
ちなみに、住居部門等で50m以内ごとに車椅子のすれ違いに支障がない場合だと有効幅が140cmでもOKなのですが、
中廊下で諸室を計画する場合は有効幅180cm必要となるので、やはり芯々2.5m以上必要となってきます!
原則として、利用者用の廊下幅は2.5m以上確保することを心掛けましょう!
まとめ
計画についての留意事項はこんなところでしょうか。
他にもまだまだ細かな部分はたくさんありますが、
細部に囚われると大局を見失います。
最低限押さえておきたいポイントでした!試験当日、行き詰まったら思い出して下さい。