ランクⅢからの製図逆転合格|7回不合格者が教える一級建築士設計製図試験

Kentikun
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このブログの対象はこんな人です
  • 「ランクⅢ」で不合格だった人
  • 角番受験の人
でぶリーマン
でぶリーマン

はじめまして、一級建築士の「でぶリーマン」です。

私が初めて学科試験に合格したのは29歳。

製図試験は不合格の連続・角番落ち・挫折・・・と紆余曲折を経て2025年、製図試験8回目のチャレンジでようやく合格できました。

合格に至るまでの結果はあまりに無残なもので、

  • 初年度「ランクⅡ」
  • それ以降の6回「ランクⅢ」
  • 製図試験の角番落ち2回

私よりも後から学科に受かった後輩たちが次々と先を越して一級建築士になっていき、それでいて2回目の角番落ちは精神的にキツいものがありましたが、諦めきれずに挑戦すること8回目の製図試験でようやく合格を掴み取りました。

私と同じように、ランクⅢから抜け出せずに悩んでいる人、角番落ちで辛い思いをしている人。製図試験に悩んでいる人たちに私の経験が少しでも役立てばと思い、このブログを立ち上げました。

このブログはそんな過去の自分と同じ場所に立っている人に向けて書いています。

いつか、

「でぶリーマンのブログで合格できました」

そう言ってもらえる人が一人でも現れたなら、それだけで、これまでの不合格はすべて報われます。

資格学校に通ってる人も是非

私が製図試験に7回も落ち続けた要因

そもそも、なぜ私が7回も落ちたのか。そこを少し掘り下げようと思います。

私が設計製図試験に挑んだ最初の年が2015年。

忘れもしない、初受験の緊張感。

製図版を抱えた受験生が会場前にずらりと並んでいる光景を見て、その異様な空気感に戦々恐々としていました。

「一級建築士試験」というプレッシャー、それに加えて他の受験生から漂う威圧感に飲み込まれていたのは今でも忘れません。

そんな心境なので、開始前から手は汗でビッシャビシャ。

作図用紙に名前を書くだけでシャープペンの芯を3回も折るほど緊張していました。

採点内容はブラックボックス

製図試験は答案用紙が返却されるわけではありません。

それゆえに、なぜ落ちたのか・なぜ受かったのか、落ちた理由も受かった理由も試験元が教えてくれることはありません。

当日の記憶・持ち帰ったエスキス用紙と問題用紙、ここから自分で分析して原因を考えなければいけません。

落ちた側としては「モヤモヤ感」満載の試験、それが一級建築士設計製図試験です。

2015年|レストラン・ギャラリーの要求漏れ

当時の課題は「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である。)」

南側:公園
西側:公園
東側:道路
北側:歩道付道路

東側道路からアプローチできる位置にレストランとギャラリーを配置する条件でした。

しかし私はーー

東側道路からのアプローチ指定をまさかのガン無視。

そして南・西側の公園に面してレストラン・ギャラリーを配置!

試験中の私はこう考えていました。

でぶリーマン
でぶリーマン

西側・南側に面してレストランを計画すると、公園利用者も使いやすいよね。

敷地の周辺環境にも考慮してるから好印象であること間違いなし!

そのミスに気が付いたのは試験終了10分前。

ふと課題文を読み返して初めてアプローチ要求に気が付くも、時すでに遅し。

・・・オワッタ。

もはや絶望。この世の終わりのような感覚でした。

完全な読み落としと思い込み、、こうして「ランクⅡ」で不合格。

後輩と一緒に受験し、私が落ちて後輩が受かるという苦汁をなめる結果となり、私の製図試験の初受験が幕を閉じました。

それ以降6回ランクⅢで落ちているので、初年度が一番合格に近かったようです。

2016年|屋上広場をピロティ空間で計画

前年の反省を踏まえ、より慎重に課題文を読み込んで挑んだ2度目の製図試験。

課題は「子ども・子育て支援センター」

本試験課題では「3階建て」の階数指定がありました。

そして私の最大のミスが次の要求文。

 「屋上広場」は、児童館・子育て支援部門の利用者が使用するものとして、2階床レベル(建築物の1階の屋上)に計画する。

(以下省略)

2016年一級建築士設計製図試験本試験

当時の受験生、そしてこれを読んでいる大多数の人はこう考えると思います。

読者さん
読者さん

3階建てで、一部が屋上庭園のある平屋になるのかなぁ。

しかし、ここでまた私は失態をーー

なぜか「屋上広場をピロティ空間にした3階建て」という謎プランで計画してしまいました。

当然結果はーー

ランクⅢ。

それ以降も落ち続けました。

2017年以降|要求漏れ・ゾーニングミス・法規違反

今振り返ると恥ずかしいミスばかりですが、試験中には気付けないのも本試験特有の空気感によるところなのかもしれません。

過去7回試験に落ち続けた理由は、別記事でより詳しく分析しています。

採点内容がブラックボックスなので、受かった理由よりも落ちた理由を分析する方が合格に近づくのかもしれません。

その他の年度の落ちた要因を簡単に記しておきますが、もっと読みたい方はこちらをご覧ください。

合わせて読みたい(準備中)
一級建築士設計製図|過去問7年「落ち続けた理由」を分析
一級建築士設計製図|過去問7年「落ち続けた理由」を分析
製図試験に落ちた要因
  • 2017年:小規模なリゾートホテル(ランクⅢ・角番落ち)
    →「全ての客室は、名峰や湖の眺望に配慮する」をガン無視!またもや読解ミス
  • 2018年:健康づくりのためのスポーツ施設(ランクⅢ)
    →周辺施設との繋がりを求められつつも、道路に面してメインエントランスを設けた。※周辺環境をガン無視
  • 2019年:美術館の分館(ランクⅢ)
    →重複距離が30m超・竪穴区画の防火設備記入漏れ
  • 2020年:高齢者介護施設(ランクⅢ・角番落ち)
    セキュリティに配慮不足のゾーニング
でぶリーマン
でぶリーマン

2度目の角番落ちで心が折れ、4年のブランク期間を経て再受験。

  • 2024年:大学(ランクⅢ)
    →階数自由であるがゆえに、斜線制限に抵触しないことを優先し、7階建てで計画(要求のゾーニング的には5階建てがベター)

【最重要!】課題内容を十分に満たせているか

「〇〇すれば合格できる!」

受験者全員が知りたい答えだと思います。

私は、あと何回受験したら合格できるのか・どうしたら合格できるのか、をずっと考え続けてきました。

そして8回目の受験でようやく合格できた今、「これをすれば合格できる」の一つの結論に辿り着きました。

それはーー

求められている課題内容を十分に満たせば合格できる。

という、身も蓋も無い答えです。

おなやみ君
おなやみ君

そんなこと分かってるよ。

という声が聞こえてきますが、私自身もそんなことは分かりきったことだと思っていました。

しかし苦労の末ようやく合格できた今、合否を分けるすべてが、ここに集約されていると感じています。

分かっているけど合格できない。

その問題は、「課題内容を満たしているつもりになってしまう」ことです。

「課題内容を十分に満たす」について私の不合格経験を基に考えると、私的には以下5点が不合格になった要因だと考えています。

私が7回落ちた要因
  1. 課題文の読み間違えと読み落とし
  2. 要求事項の思い込み
  3. 法規違反(高さ制限・重複距離など)
  4. 記述の内容不足&図面と不整合
  5. 年度特有の地雷
おなやみ君
おなやみ君

そんなの落ちて当たり前じゃん。

私自身も今ではそう思う内容です。

それでも試験本番ではこうした失態を犯してしまう。だからこそ製図試験は難しいのだと思います。

ではまず、課題文の読み間違えや読み落としを防ぐための方法をご紹介します。

【STEP1】課題文マーキング完全マニュアル

私はこれまで本試験で、課題文の読み落としにより何度もランクⅢを取ってきました。

  • 試験後半で条件違反に気づいたり
  • 試験終了後に資格学校の仲間と話して気づいたり
  • 資格学校のエスキス例を見て絶望したり
でぶリーマン
でぶリーマン

えっ!?

そんなこと課題文に書いてあったっけ・・・。

という思いを何度もしています。

試験開始直後は、この試験に合格するためのポイントはどこかを課題文の中からピックアップする作業が合否を分けるポイントだと思っています。

試験中は何度も課題文を見返すことになり、そのたびに全文を追っていては時間がいくらあっても足りません。

課題文を見返すタイミング
  1. エスキス中
  2. エスキス完成後の確認
  3. 記述時に課題文からキーワードを抽出
  4. 記述後のエスキス確認
  5. 作図中に記載する什器の確認
  6. 最後の見直し

少なく見積もってもこれくらいで、①のエスキス中だけでも何度も見返します。

必要な時に見返しやすくするためにはマーキングがとても重要です。

マーキングをしておかないと、条件を探すだけで余計に時間を取られてしまい、エスキスや作図に集中できなくなることもあります。

とはいえ私が条件違反・読み落としがあった時も、当然マーキングは行っていたのですが、それでもミスをしていました。。。

なぜこんなにも読み落としがあるのか、なぜ後々になって気がつくのか。

条件違反・読み落としの原因はマーキングにある

結局のところ課題文はほぼ全部と言って良いくらい大事なことしか書いていません。

課題文を読んでいるうちに、気付けば課題文がマーキングだらけーー

というのがこれまでの私でした。

結局どれが大事なのかわかんなくなって、課題文も頭の中もごっちゃごちゃ。

本試験という緊張感の中なので、もはや大パニック。

マーキングは「赤と青の2色が基本」みたいなことを聞いて実践していましたが、条件違反・読み落としがある以上、私には不向きだということに気がつきました。

その結果、私はーー

4色マーキングにすることで読み落としや条件違反をすることが激減しました!

とはいえ、

おなやみ君
おなやみ君

マーカーを持ち替える時間がもったいなくない?

という声が聞こえてきそうですので、私が合格した2025年の本試験の課題文をご紹介します。

課題文で読み落とさないための秘訣|4色マーキングの実例

2025年本試験で実際に私がマーキングしていた課題文がこちら。

やはり4色も使っているだけあって、色分け感がありますよね。

もちろん各色には意味があります。

でぶリーマン流|4色マーキング
  • 黄:数字
    →面積・台数・人数など
  • 青:最重要条件
    →動線・条件指定・空間構成などエスキス全体に影響する事項

  • →作図に必要な情報(受付・カウンター・机・椅子など)

  • →記述に使えそうな文言、設計意図に関わる条件

4色で色分けするメリット

4色に分類することで、

  • どこに
  • どんな情報が
  • どんな重要度で

書かれているかを、視覚的に瞬時に判断できるようになります。

でぶリーマン
でぶリーマン

4色マーキングにしてから条件ミスが少なくなったので、私できには強くオススメします!

読み落とし、条件違反をした経験がある方は試してみていただきたいです。

課題文は何回も読み返すことになるので、マーキングの手間を惜しむよりも、パッと見で分かりやすいのが大事と思います。

このマーキングをすることで課題の条件が整理でき、読み落とし・読み間違い・要求事項の思い込みが防げるのと同時に、記述と連動したエスキスがしやすくなります。

STEP1のまとめ
  • 読み落としの原因は「情報整理不足」
  • 試験開始直後はマーキング優先
  • 4色に分けることで視認性が向上
  • 条件違反の防止に効果あり
でぶリーマン
でぶリーマン

マーキングの手間を惜しむより、一目でわかる状態を作ることが重要です!

読み落としや条件ミスを経験している方には、4色マーキングは一度試す価値がある方法だと思います。

次に私のエスキス手順です。

【STEP2】7度の失敗を活かしたエスキス手順

私が合格した2025年のエスキス手順を解説します。

課題は「庁舎」です。

A-2サイズのエスキス用紙を半分に折って、最初は左側を使って検討していきます。

こちらが、本試験での私のエスキス用紙です。

私のエスキス手順①|情報を書いてみる

まずエスキス用紙の端っこに、なんとなく自分的に大事なワードを並べてみます。

あまり時間を掛けたくないのでサラッと。

私のエスキス手順②|部門別に面積算定

そして次に要求部門の構成と、各部門別に要求室面積を確認します。

基本は、

  • 年度毎の部門
  • 共用部門
  • 管理部門

のゾーニングになると思います。

庁舎の場合は、

  • 議会部門
  • 執行部門
  • その他
  • 設備

というゾーニング構成が一般的でした。

課題文から、その他は公園と関連する室なので1階に配置することになりそうだ、ということが分かるのと、設備室もメンテナンスを考えると1階にあるのが望ましい・・・かも?

ということが想定できます。

そうなると階の構成としては

  • 3階:議会部門
  • 2階:執行部門
  • 1階:その他・設備

もしくは、2階と3階の部門が入れ替わるパターンも考えられそうですが、庁舎の実例的に議会部門は最上階にあるのが自然な形となりますので、スタンダードな形で検討します。

でぶリーマン
でぶリーマン

独創的な発想は不要ですので、ネットで実例を見ながら「庁舎といえば」の定番の階構成を勉強しましょう。

といっても、複数件の実例を見るだけで十分と思います。

適宜と書いている室の面積は、特に記載がない場合は10〜20m2くらいで考え、人数が書いている場合は「1.5〜2.0m2/人」、事務室の場合は「5〜10m2/人」で計画するのが一般的なようです。

そんなこんなで部門別の面積を算出します。

でぶリーマン
でぶリーマン

事務スペースのある階に、面積適宜の書庫が要求されていましたが、私は20m2くらいで計画しました。

標準解答例では40m2くらいで計画しているので、ちょっと足りなかったかも?

本試験での私の計画は、

  • 議決部門:400m2
  • 執行部門:1,050m2
  • その他・設備:500m2

こんな面積配分になり、合算すると1,950m2。

敷地サイズと免震構造の3mバックを考慮して、間口42m×奥行24m「1,008m2/階」で計画できそうと思い、1,008m2/階×3階=3,024m2

廊下係数1.4〜1.7が計画しやすい

よく廊下係数なんて言われるものがあり、建物最大ボリュームから要求室全部のボリュームを割返して、1.4〜1.7くらいになれば計画しやすい。なんて言われています。

でぶリーマン
でぶリーマン

廊下係数を意識するだけで計画がしやすくなります。

廊下係数の算定方法

建物全体の面積/要求室全部の面積

私の計画では、3,024m2/1,950m2=1.55

1.4〜1.7に収まっているので、窮屈でもなければ無駄に広い感じもなさそうというのが、算定値によって大まかに分かります。

私のエスキス手順③|階の振り分け

ちなみに私は、室面積を書くのがめんどくさいので、要求室の上から順に番号を振って検討していました。

先ほどの計算で、建物に対して要求室の計画がちょうど良さげな感じが分かりましたので、次に階の振り分けを行います。

1フロアで1,008m2のところ、2階に計画している執行部門の面積が超えてしまっているので、1階もしくは3階に部門を跨ぐ計画にする必要がありそうです。

階ごとにも廊下係数を出しておくと振り分けするのに便利です。

部門毎の廊下係数算定

1フロアごとに部門を構成するとゾーニングが明瞭ですので、フロアに対して部門の廊下を算定してみます。

  • その他・設備:1,008m2/500m2=2.016
  • 執行部門:1,008m2/1,050m2=0.96
  • 議決部門:1,008m2/400m2=2.52

繰り返しになりますが、廊下係数は1.4〜1.7が計画にはちょうど良い数値です。

でぶリーマン
でぶリーマン

この計算によって、執行部門を1階・3階に振り分けて計画しなきゃ納まらないことが分かりました。

私は議決部門との繋がりを考慮して、3階に町長室・副町長室、それに付随して会議室B(小さい方)を配置することにしました。

それでも面積的に2階の面積が溢れてしまうので、事務室を1階にも配置することにしました。

これで階の振り分けが完了し、具体的な計画に進みます。

私のエスキス手順④|マス目を利用して各室を配置

一見すると、ぐっちゃぐちゃ。

廊下係数が1.4〜1.7くらいであれば、室は間違いなく入ることになるので、細かなレイアウトは、ひたすら手を動かしてハマるかどうかを確認します。

室を配置するときのポイント

私がメチャクチャ意識していたのが、廊下を長手方向にまっすぐ通すこと。

今年は東西方向に長い敷地でしたので、廊下も自ずと東西に真っ直ぐ通った廊下で計画しました。

でぶリーマン
でぶリーマン

東西に廊下を真っ直ぐ通して、南北に室を配置。

「廊下を真っ直ぐ」これを意識するだけで、綺麗なプランになります。

私のエスキス手順⑤|1/400に書き直す

①〜④の手順を踏んで、実際に1/400に書き直します。

完成したのがこちら。

これが当日の私のエスキス用紙です。

復元図も公開

試験終了後に描いた復元図です。

講師による赤ペンチェックはお気になさらず。

2025年本試験をより詳しく解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

製図試験合格|2025年本試験の振り返り
【エスキス・再現図あり】2025年一級建築士設計製図試験の振り返り
【エスキス・再現図あり】2025年一級建築士設計製図試験の振り返り

【STEP4】作図スピードを2倍にした練習法

【STEP5】合格年のエスキス&再現図公開

製図試験で心が折れた瞬間と立ち直り方

【番外編】製図試験にかかった総費用

手軽に学科+製図試験対策
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