一級建築士設計製図対策|採光・採光補正係数
こんにちは、でぶリーマンです。
建築基準法施行令第19条3項の表(七)には、表(一)以外の学校の教室には床面積の1/10の採光有効面積を確保する旨が書かれています。
つまり採光面積不足は建築基準法を遵守できていないということで、試験においては失格になってしまうかもしれません。
今回は一級建築士製図試験における採光について勉強したことを記していきます。
ボクはこれまで一級建築士の製図試験に2回も角番落ちしているポンコツ受験生です。
- 2015年→学科試験合格(N学院)・製図ランクⅡ
- 2016年→製図 ランクⅢ
- 2017年→製図 ランクⅢ 1回目の角番落ち
- 2018年→学科試験合格(独学)・製図ランクⅢ
- 2019年→製図 ランクⅢ
- 2020年→製図 ランクⅢ 2回目の角番落ち
- 2023年→学科試験(独学) 2点足らずで不合格
- 2024年→学科試験(独学) 合格

ボクほど苦戦してる人はいないかもね!
採光有効面積=開口部面積×採光補正係数
ただ窓の面積が床面積×1/10であれば良いわけではありません。
建築基準法施行令20条には、
「ちゃんと日射を取り込める開口部じゃないとダメだよ!」
ということが書いています。
採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するものとする。
採光補正係数「1」なら採光有効面積はそのまま開口部面積となりますが、もし採光補正係数が「1以下」なら採光有効面積は開口部面積よりも小さい値となります。
場合によっては採光補正係数が「ゼロ」になりますから、その時はどれだけ大きな開口部を設けても採光有効面積は「ゼロ」です。
つまり建築基準法違反で失格の可能性大です。
採光補正係数の算定方法

算定方法を以下にまとめます。
地域・地区 | 算定式 | |
住居系 | 低層・中高層・住居・田園住居 | 6×d/h ー1.4 |
工業系 | 準工業・工業・工業専用 | 8×d/h ー1 |
商業・その他 | 近隣商業・商業・指定なし | 10×d/h ー1 |
d:水平距離 →開口部の直上にある建築物の部分と、隣地境界線等までの水平距離
h:垂直距離 →開口部の直上にある建築物の部分から開口部の中心までの垂直距離
「d/h」を採光関係比率と呼びます。
高層建築物の低層階は要注意|採光補正係数ゼロ
採光関係比率(d/h)の「d(敷地までの水平距離)」の値は一定です。
なので「h(開口部中心までの距離)」によって採光関係比率の値は変わってきます。
住居系で建物離れを建物芯で3mとした場合、柱が800mm角と考えると、水平距離は(3−0.4)で2.6m。
階高4mの構成にすると、d/hの関係は下の画像になります。

3階建ての1階で採光補正係数は0.526。開口部面積に対してほぼ半分の面積しか採光有効面積にカウントできないことが分かります。

「h」を小さくすると採光補正係数が大きくなるので、開口部はできるだけ高い位置に描くのが良いね!
具体例|住居系で建物離れ3mの居室
- 住居系
- 建物離れ3m
- 階高4mの3階建の1階
- 室面積50m2
この場合の1階居室の採光有効面積を考えます。
ではもう一度先ほどの画像を流用します。

居室の床面積50m2であれば採光有効面積は5m2(50/10=5)必要になります。
1階部分の開口部芯がパラペットから8.100mm、建物離れが2.600mmなので
住居系の採光補正係数=6×d/h -1.4
6×2.600/8.100-1.4=0.526
採光補正係数と採光有効面積が求められたので、必要な開口部面積を算出します。
開口部A×0.526≧5m2
すなわち、9.505m2の開口部面積が必要ということになります。
採光有効面積と採光補正係数|まとめ
まとめると、
大学の用途における採光有効面積は床面積の1/10以上
採光有効面積=開口部面積×採光補正係数
採光補正係数の求め方
- 住居系 6×d/h -1.4
- 工業系 8×d/h -1
- 商業系、他 10×d/h -1
採光補正係数が1なら、開口部面積=採光有効面積
3を超える→採光補正係数=3.0
となります。
ざっくり住居系で建物離れ3mで計画すると、1階の採光補正係数は0.5なので実際の開口部面積の半分にしかなりません。
50m2の部屋なら外壁面に窓をたくさん設けるか、それができなければ開口部高さを2mにするのが良さそうです。
以上、参考になれば幸いです。