【一級建築士設計製図】エスキスに悩んでいる方必見!エスキス手順公開

模擬試験を分析してみました!
今年の日建学院の中間模擬試験は、講師曰く
ここまで未完成の人が多い事はありませんでしたから。
そんな難しいのを模擬試験に出すなんていかがなものか・・・。
僕にとっては6回目の模擬試験。
過去6回の中では確かに一番難しく感じました。
そんな過去一難しいと言われた模擬試験を自分なりの解き方で分析してみようと思います。
イマイチ解き方が分からないって方は、僕の解き方が参考になれば幸いです。
- 課題分の読み取り
- 敷地の大きさ及び接道条件・周辺環境を読み取る
- 建蔽率から最大建築可能面積を算出
- 屋外施設及び駐車場の台数確認
- 屋外施設と駐車場の場所を想定し計画する建築面積のパターン出しをする
- 延床面積の確認・面積のパターン出し
- 中庭面積の確認
- 住居部門の検討・複合スパンも視野に入れる
- 住居部門の条件を基に、コアを決める
- コアを基に共用部門・通所サービス部門を振り分ける
課題分の読み取り
課題分の読み取りについては一度触れてきました。
苦い経験があるので、課題分はしっかりと読みます。
課題分の読み落としの苦い失敗談

設計条件もしっかり読み取らないといけません。
設計条件は、クライアントがどのような目的で
この建物を計画してほしいかが書いていますので、
こちらも読み落としの無いよう隅々まで読み取ります。
設計条件の読み落としした失敗談
https://muscle-architect.com/sekkeiseizu-planning/
敷地の大きさ及び接道条件・周辺環境を読み取る
課題分を隅々まで確認したら、次は敷地の確認をします。
- どのような大きさの敷地なのか
- 周辺環境はどうか
- 敷地の方位(図面の上が北と思い込むのは危険です!)
建蔽率から最大建築可能面積を算出
建蔽率及び敷地面積から、最大建築可能面積を算出すると
1,750×0,8=1,400㎡まで計画する事ができる事を確認。
・49㎡であれば28コマ
・42㎡であれば33コマ
屋外施設及び駐車場の台数確認
今回の課題は、地上に屋上テラス(40㎡)が要求されています。
駐車場は車椅子使用者用として2台で、駐輪場は要求されていません。
屋外施設・駐車場の台数から、ぼんやりと敷地に対して建物が
どれくらいの大きさかイメージできます。
今回は、屋外施設のサイズ・駐車場の台数が少ない事から、
敷地に対して比較的大きめな建物で計画する事になりそうだと察する事ができます。
ちなみに、横断歩道から5m以上離した位置に歩道の切り開きを計画しないといけません。
5m未満に切り開きを計画すると確実に減点となるようです。
切り開きが無いものとみなされ車路が通り抜けできないと判断されてしまう可能性もあるようです。
屋外施設と駐車場の場所を想定し建築物のセットバックを考慮して建築面積のパターン出し
車椅子利用者用の駐車場は幅員の広い東側の歩道付き道路からのアクセスとし
屋外テラスは南側の公園に面して計画する。
(課題分より南側の歩行者専用道路から直接利用を考慮して)
車寄せ車路の幅4m、通路2mを確保して建物の離れを決定します。
最低限の6mでも計画できそうですが、歩行者への安全に配慮し歩道と車路の間に
植栽スペース1mを確保して東側道路から7mセットバックして建築物を計画する事にしました。
南側の屋外テラスは2m×20mの40㎡でも計画できなくは無いですが、
使い勝手の悪い屋外テラスになってしまいそうなので、
最低3m程度の離れを確保する事にします。
北側・東側は特に干渉する物も無いので、最低ラインの2mのセットバックとすると建築面積が出てきます。
間口41m・奥行30mの建物が計画できそうです。
1,230㎡は建蔽率もクリアできているのでOKです。
1,230㎡は7m×7mスパンだと28コマ、7m×6mスパンだと33コマまで計画できます。
延床面積の確認・面積のパターン出し
①間口7m・5スパン × 奥行7m・4スパン=980㎡ ←最小値
②間口7m・5スパン × 奥行6m・5スパン=1,050㎡
③間口6m・6スパン × 奥行7m・4スパン=1,008㎡
④間口8m・5スパン × 奥行6m・5スパン=1,200㎡ ←最大値
3階建ての建物である事から、それぞれ×3すると
①2,940㎡
②3,150㎡ ←候補②
③3,024㎡
④3,600㎡ ←候補①
となります。
延床面積は下限値ギリギリよりも上限目一杯で計画する方が楽に計画ができますので
ここでは候補①と候補②に絞ってみます。
中庭面積の確認
今回の課題では、3面以上が建物に面した中庭(40㎡以上)が地上部分に要求されています。
仮に42㎡の中庭だとすると126㎡、49㎡だとすると147㎡を減算する事になります。
先ほど計算した延べ床面積の上限値から、候補①は上限値オーバーしてしまいますので
候補②が有力候補となりました。
住居部門の検討・複合スパンも視野に入れる
基本的には今回の課題については住居部門のエスキスを先行して行います。
候補②は『間口が7m×奥行が6m』で5スパンずつの25コマでしたね。
要求されている住居は15㎡で10室を1ユニットとして、2ユニット計画することとなっています。
北側の住居は採光の関係から避けた方が良いので、東西に住居を振り分けてみます。
6mスパンを2つに区切り、15㎡確保すると5m×3mとなります。
7mスパンだと住居5m+通路2mとなります。
廊下の途中にある柱を考慮すると、
バリアフリー法で定められている廊下有効寸法1.8m以上を確保する事ができなくなってしまいますので
7mスパンではNGとなってしまいます。
ここで、東西に振り分けた住居部分のスパン割りを8mにしてみましょう。
そうするとこうなります。
これで廊下幅も確保しつつ、住居部分の面積もピッタリ15㎡となりました。
このように、
7mスパンを基に必要に応じて、要所要所で8mスパンを併用
複合スパンも視野に入れて考えると計画が楽になります。
もちろん、延床面積や建蔽率が指定された値以下なら、
全て8mスパンとしてしまっても良いと思います。
僕は、あくまで7mスパンを基準にして、
それでは計画できない場合、そこだけ8mスパンとするやり方に慣れているだけですので。
住居部門の条件を基に、コアを決める
集合住宅系の課題は、住居の面積及び室数と階段・エレベーター(コア)の位置関係が重要になってきます。
住居とコアの位置関係を決めてしまいます。
ですが、ここで決めたコアは現時点では暫定とします。
2ユニットの計画なので、右の写真のようにユニットを分けました。
コアを基に共用部門・通所サービス部門を振り分ける
住居部門で暫定的に決めたコアを中心に、
1階・2階の共用部門・通所サービス部門の各室を振り分けていきます。
そこでもし、コアが邪魔で計画がうまくいかない場合は、住居部門のコアの位置と合わせて、
ここならうまくいきそうだ!というところで再度計画します。
僕が計画した結果はこんな感じになりました。
これを1/400で描き直したらエスキス完成となります。
作図するとこんな感じです!
まとめ
どうでしたか?
改めて手順をおさらいします。
- 課題分の読み取り
- 敷地の大きさ及び接道条件・周辺環境を読み取る
- 建蔽率から最大建築可能面積を算出
- 屋外施設及び駐車場の台数確認
- 屋外施設と駐車場の場所を想定し計画する建築面積のパターン出しをする
- 延床面積の確認・面積のパターン出し
- 中庭面積の確認
- 住居部門の検討・複合スパンも視野に入れる
- 住居部門の条件を基に、コアを決める
- コアを基に共用部門・通所サービス部門を振り分ける
エスキスに慣れていない方は、このやり方で一度解いてみてください!
このやり方がしっくりきた方、こっちの方が解きやすいよって方、
たくさんコメントお待ちしております!